業務中に強盗事件の被害者になりました

仕事

はじめに

私はタクシードライバー2年目の乗務員です。

この記事は私が体験したことを忘れない為の備忘録として、また他のタクシードライバーに共有すべきと思ったので記します。
知り合いにタクシーの乗務員が居る、もしくはタクシーの乗務員気になってるんだって人が居たら是非拡散頂けたら嬉しいです

お時間に余裕が有ればば最後まで目を通して頂けたら幸いです。

ドライブレコーダーの映像や、写真は持ち出すことが出来ないので文章と簡単なイラストでの説明になってしまうので、信ぴょう性に欠けるとは思いますがご容赦下さい。

事件の概要

強盗事件として刑事事件として扱われています。
以下に起こったことを簡単に記します。

  • 運賃3100の不払い
  • 乗り逃げをしようと逃走を図った時に捕獲を試みるが、被疑者に抵抗された際に首を殴打される

営業収入、釣銭箱、スマートフォン、財布等の貴重品を奪われた訳では無いので、直接的な金銭に関わる被害は0と言えます。

事件発生のいきさつ

2022年5月22日(日) 午前4時20分
とある駅のロータリー近くを通りがかった際、手を上げて乗車の意志を表す人が居たのでその方の方へ車を近づけました。
近づいてみると足取りも覚束無い酔っ払いでした。

赤い三角が自車で、青い人型が件の酔っ払いです。
私がロータリーの方へ進むと酔っ払いは横断歩道上で車を停車させ、運転席側へ回ると

『アケロ』と言いながら運転席のドアを開けて来ました。

《コイツやべー酔っぱらってるな》とは思ったものの、車内で嘔吐される可能性は感じ無かったので

「ノリ口は反対側ですよ」左後方の搭乗口の方へ案内し、お乗せしました。
2年続けてるとヤバイ客への耐性は付くもので、足が覚束無い程度の客であれば乗せる事に抵抗は無くなっており、行き先を告げ、走り出せば直ぐに寝るだろうという予感は的中し、目的地まで問題なく到着しました。

ですが酔っ払いなので寝入ってしまうといくら声をかけても反応はありません。
寝込みはよくある事なのですが、乗務員が体に触れて起こすと問題になる事が幾つかありまして

・財布などの貴重品がなくなった
・異性に変な場所を触られた

等の問題になる事から寝込みの乗客は、警察官に対応して頂く決まりになっていました。
今回は近くに交番が有ったので交番の前に車を寄せ、宿直の方に「寝込みの対応をお願いします」と宿直の方に対応をお願いしました。

普段であれば警察官が起こして、お支払いを促してくれて、お支払いを終えるので少し会計に手間取る位のですが今回は違いました。

ただの寝込みが強盗になった訳

今までの警察官の対応は基本的に
車内で起こす→支払いを済ませてない旨を伝えるも車を出ようとする場合は外に出れない様に静止して頂けてたのですが
今回は酔っ払いをたたき起こして直ぐに車から引っ張り出しました。

その際に警察官の方から「お支払いはまだですよね?」との問いが有ったので「まだです」と答えました。

警察官の方が乗客に「お支払いまだなのでお支払いしましょうね!」と声をかけたのでそれに続いて私も「お支払いの方お願いします」と続きました。

すると乗客は 警察官の横を通って 明後日の方向に歩き始めました。

支払いはまだなので当然警察官が取り押さえようとするのですが振りほどき交番から離れていく酔っ払い。
その際よっぱらいは「金が無いから金持ってる仲間の所に行く」等と言って居ました


イラストの赤字が被疑者の進行方向になります。

当然警官も追いかけるものだと思っていたのですが

警察官「運転手さん 追いかけてください

私「(‘Д’)(え????)」

と予想外の指示に一瞬思考が停止するも、被疑者が走って逃げたのでそれどころじゃないと取り合えず追走。20メートルくらいで追いついたので背後から首の根っこをひっ捕まえて逃走を阻止します。
酔いが回ったのか地面に伏したので、そのまま警察官が来るのを待っていましたが、被疑者が起き上がり再度逃走を始めたのですかさず追走し、同じく首根っこを捕まえて今度は激しく抵抗したので、胸倉をつかみ上げそのまま見様見真似の大外刈りで地面に組み伏せました。

突然の事に被疑者は驚いたようですが直ぐに臨戦態勢に入りすぐさま起き上がり私の方へ殴りかかってきました。
顔面殴られるのは嫌なので、なんとかいなしたつもりが首に一撃貰ってしまい、相手が追撃の構えを取っていたのですかさず防御態勢を取ると被疑者はそのまま赤い矢印の先へと走っていきました。
窮鼠猫噛みの言葉を思い出し、深追いは辞めて交番の方へと戻りました。

警察官「酔っ払いは何処に行きましたか?」

私「(指で示しながら)あの先の方へ走っていきました。」

警察官「自転車で追いかけてみます」

といい追いかけていきました。

これは後から知った話なのですが警官が被疑者を追わなかったのは交番を明ける訳に行かず、相方が仮眠を取っていた為だそうです。

今回の問題点

【ⅰ】
110番ではなく近くの交番に寄った事。
110番通報する事で2人以上で現場に駆けつけてくれるので、交番から離れられないといった理由から逃げられる事が無い上に、110当番通報を受け現場に向かった警官は報告を上げなければ行けないので、適当な振舞は出来ない。
交番で対応をお願いした警察官は言い方を選ばずに言うならば「めんどくさそうな雰囲気」を私は感じました。

以前から目的地付近に交番がある時はそちらでお願いをしてたので、110番して到着する迄の時間を考えるとこちらの方が時間効率が良いだろうと判断したため。

以前酔っ払い客の寝込みに対応してくれた警察官は「酔っ払いは何するか分からないので、こういう時は迷わず110番してください」と仰っていたので同様の場面に遭遇した場合は交番に向かうのではなく110番しましょう。
これは今回の経験を踏まえてよりそうすべきだと確信しました。

【Ⅱ】
指示があったとはいえ、被疑者を単独で追走したこと。
相手が同じような背格好でやせ型なのもあり取り押さえる事は不可能では無いだろうと判断し追走したが、刃物などを所持していた際に大惨事になっていた可能性がある。

ゼッタイに素人が手を出すべきではない(おまゆう)

被疑者逃走後の流れ

私は警察官の対応が腑に落ちなかったのと、逃げ徳は絶対に許さないの心情により被害届を提出する事にしました。
警察官の方が刑事の方に連絡し、5~6名の刑事さんが現場へと駆けつけました。
経緯の説明や、現場検証などに凡そ2時間程使い、署の方で供述調書の作成と被疑者を特定する為の営業車の鑑識作業で5時間でした。

以下供述書の構成です。

被害者のプロフィール 社歴等
事件の概要
被疑者の容姿の記述
被害の内容
被疑者を追走した時の様子
被疑者への罰の程度にかんしての要望

その他には鑑識が何を採取しました、これを科捜研に送りますといった感じの書類を何枚も書きました。

不謹慎ながら

自分が被害届を出す立場となった事で、普段関わる事のない捜査の一部を間近で見る事が出来たので被害届を出すために多くの時間を割いた意義が有ったと思います。
本当なら関わる機会が無い方が良いのでしょうけど、前向きに捉える事で今回の事も落ち込まなくて済んでいる自分がいます。

時間を大切にするなら

同じような被害にあっても被害届を出すのは時間効率が悪いのでおススメしません。
私のように逃げ得は許さないや、大きな金銭的被害が出た場合以外は、この時間を使って営業した方が10倍有意義です。
今回は実際4時から11時が勤務時間だったので約7時間 これだけの時間があれば沢山営業できます。
営業所にもよるでしょうが、このような被害を受けて実費負担させる会社はそうそう無いので報告書を上げるなりしてその分をマイナス集計するなりしたほうが絶対マシです。
もし実費になったとしても 長時間使ってまで取りたい金額になってるかどうかはまた別の話だと思うので。

終わりに

徹夜明けで書いてるので読みにくい文、誤字脱字など有りましたらすいません。
休養を取って落ち着いたらしっかりとまとめる予定なのでどうかご容赦下さい。

最後までお付き合いいただいた方有難うございます。
あなたの生活が安全であることを願っています

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